スウェーデンパパのリアルなイクメン事情をレポート!

今週日曜日、6月17日(日)は、父の日ですね!

父の日に際して、お父さんや父親の子育てについて、考えてみました。

流行語大賞も取得した「イクメン」とは何なのか

日本では「イクメン」という言葉をよく耳にします。

「イクメン」とは「子育てする男性(メンズ)」の略語。単純に育児中の男性というよりはむしろ「育児休暇を申請する」「育児を趣味と言ってはばからない」など、積極的に子育てを楽しみ、自らも成長する男性を指す。実際には、育児に積極的に参加できていなくても、将来的にそうありたいと願う男性も含まれる。

引用(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

そもそもは、2010年に当時の厚生労働省が立ち上げた「イクメンプロジェクト」に際して用いられた言葉で、その年の流行語大賞を受賞したりして、その後も一般社会に深く浸透しました。

その後日本にイクメンは増えたのか

2010年当時、日本の男性の育児休暇取得率は1.23%

そしてこのイクメンプロジェクトの目標は、男性の育児休暇取得率を2017年度には10%、2020年度には13%に引き上げることだったそうです。

さて結果はというと、2016年度にようやく3%を超えたところだそうです。ちなみに女性の育児休暇取得率は2010年で9割、2016年は8割ちょっとだそうです。

こういう数字を見ると、まだまだ先は長い…という感じですね。

スウェーデンはイクメン天国?

さて、ここ数年日本のニュースでも、

スウェーデンの父親の育児休暇取得率が高い

と話題になっています(もちろんフィンランドやデンマークなど北欧諸国はみな同様に高い取得率です)。

なので、スウェーデン人と国際結婚して現地在住で子育て中というと、

日本の方
やっぱりご主人はイクメンなんでしょう?うらやましいわ~

と言われることが多々あります。

それでは、実際スウェーデンではどうなのか。2016年の調べでは、スウェーデンの男性の育児休暇取得率は90%近くだそうです。同じ年の日本の2.3%と比べると、やはり大きな差を感じますね。

90%以上の取得率、といえば、それはもう

イクメン天国!

ではないでしょうか。(ただしスウェーデンで育児を趣味と考えているパパはほとんどいないと思いますが)

確かに我が家でも、会社員の夫は子供が生まれた直後から1年間育児休暇を取得し、一緒に育児を行いました。生まれた直後から育児休暇をとる父親はスウェーデンでも珍しい方ですが、一般的には

母親が初めの1年間(約320日)その後母親は職場復帰し、代わって父親が半年(約160日)、その後保育園スタート

が一般的です。

スウェーデンの育児休暇システムの概要
-子供一人当たり合計480日の育児休暇取得の権利がある
-そのうち90日は各親に割り当てされて使わないと消滅する
-育休中は給料の約8割が国から、1割が企業から出るケースが多い

ちなみに父親が育児休暇中、母親は普通に働きますので、父親がたった一人で1歳足らずの赤ちゃんのお世話をすることになります。

どうしてそんなに多くの父親が長期育児休暇をとるの?

なぜスウェーデン人の父親はそんなに育児休暇を取得するのか。それは、別にスウェーデン人が日本人よりも子供を大切に思っているとか、夫婦関係を重要視しているという理由が主なものではありません。むしろそれは、育児休暇を取得した結果そうなった、ということです。

私がスウェーデンで暮らして周りのスウェーデン人たちの言動を見て思う、大きな理由は次の二つです。

スウェーデン人パパが育休をとる理由!

その1:みんなが取得しているから

その2:とらないと損だから

スウェーデンでも、70年代ごろまでは父親の育児休暇取得率は5%程度だったそうです。それが、急激に上昇した。なぜか。

それはひとえに、政府による強力なインプットがあったからです。

1970年頃、人口が800万人程度だったスウェーデンでは、国の国際競争力をつけるためにも、女性を労働人口の頭数に入れ、税収を上げることが必要不可欠でした。そのためには、女性が働ける環境を整える必要があった。そこで国が必死になって女性の社会進出を促し、そのための社会保障制度を整えていったのです。

まさに、「働き方改革!」

そんな時代からもうすぐ50年たつ今、男性が長期の育児休暇をとることが当たり前の社会があります。そんな社会の仕組みや文化ができてしまえば、

スウェーデン人パパ
だって同僚も友達もみんなとってるし~
スウェーデン人パパ
とらないと、逆に経済的に損だし~

という安易な理由で、父親も長期の育児休暇を取得するようになるのです。

 

日本でも今まさに「働き方改革」が始まっています。これから急激に少子高齢化が進み、国の存続のために働き手が必要となる背景から、国が真剣に女性が社会進出できる仕組みを作り続ければ…。

50年後には、もしかすると日本も夫婦共働き、男性の育児休暇取得が当たり前の国になっているかもしれません。

つまり、私は正直、個人個人がどんなにがんばっても、社会の仕組みができていなければ育児休暇取得率は上がらないと思っています。

個人にがんばれ、もっとできる、などというのは、何かお門違いのような気がするのです。

イクメンが育児が上手いとは限らない

さて、それではイクメンのスウェーデン人パパたちは、やっぱり育児が上手なのでしょうか。

我が家の例をとってみれば生後0日から一緒に育児をしたので、さぞかし手慣れたものかと思いきや…赤ちゃんの扱いが上手いかといえば、正直そうではありません。

ぎゃーぎゃー泣き叫ぶ赤ちゃんにお手上げになることもしばしば。

おむつ替えにてこずって、ウンチまみれになってたり。

赤ちゃんを見ながら上手に時間を利用して美味しく栄養バランスの取れた食事など作れません。

また、赤ちゃんが寝ている間にササっと洗濯をしたり掃除機をかけたりしてくれるのかといえば、そうではありません。

そう、イクメンだからといって、

育児や家事が上手なわけではありません。

しかしそれは、実はママだって同じだと思います。全てのママが育児や家事が上手で完璧かといえばそうではなく、皆それぞれ悩んだり迷ったり泣いたり落ち込んだりしながら、それでも毎日子供と向き合っているのだと思います。

私は、その迷いや悩みこそが、子育てだと思います。

お父さんにしかできない育児のすすめ

赤ちゃんの扱いや料理や家事が得意ではない父親にも、父親にしかできない育児があります。

例えば、多くの場合、男親は女親よりも理性的で冷静、感情が安定していることが多いです。理不尽な子供と感情的にならずに相対することができ、母親とは違ったアプローチを行うことができるのです。

また、趣味がある男性であれば、その趣味に我が子を巻き込むのも一つです。

また、洗車や家の修繕などやらなければならないことに子供を巻き込むのも良いですね。特別に子供のために何かをするのではなく、ただ時間を共有するというイメージです。

そんなふうに、母親にしかできない育児があるように、父親にしかできない育児もあります。

ちなみに父親に積極的に育児や家事をしてもらいたいお母さんには、スウェーデンママの暗黙の鉄則を共有いたします…

スウェーデンママたち
パパが子供の世話や家事をしている時には、彼のやり方には、口を出さない。手を出さない。

子育ては数年で終わるものではなく、何十年も続くもの。小さいころから子供と深くかかわることで、自分の子供がどのような人間かを深く知ることができます。父親も母親と同じくらい自分の子供を深く理解することは、子供が大きくなってからこそ、夫婦や家族関係に良い影響を及ぼすといわれています。

育児は参加するものではない。するものです。

私は、時々日本で「男性が育児に参加する」「男性が子育てに協力する」といういい方を耳にして、とてつもない違和感を感じることがあります。

店長
参加する?協力する??じゃあ誰が育児をするの?

参加する、協力をするといういい方は、母親が育児をしている前提ありでの話です。このようないい方をしている限り、男性は育児に責任を感じられないのではないかと感じます。

スウェーデンの男性たちは、育児は自分たちに与えられた義務であると同時に権利であると考えています。

つまり、我が子と信頼関係を築き、その人生に関わり、影響を与え、共に歩んでいくことができる、親としての権利です。子供の親への無償の愛を受けることのできる、権利です。

前述したように、急に社会の仕組みを変えることはできないし、それは個人の力で容易にできることでもありません。

しかし、自分の中の子育てに対する考え方や心がけを、ほんの少し変えてみるだけでも、何かが変わるのではないかと思います。

おむつの替え方が上手いかとか、

美味しいご飯を作れるかとか、

掃除や洗濯をてきぱきできるかとか、

そういう事は付属的な事でしかなく、育児とは自分なりのやり方で親として子供とつながり、子供の人生を見守ってあげることです。

父親も、母親もそのように考えることができれば、きっと少しでも育児をしたいと思う父親が増えていくのではないかなと思います。

それでは父の日、おわすれなく!

だいぶ長くなりましたが、今週日曜の父の日には、ぜひお父さんお義父さんを想い、お父さんがどんな思いで、どんな環境で子供である自分や配偶者を育ててくれたのか、考えてみる機会になるといいな、と思います。また育児中のお父さん、お母さんはお互いにどんな親になりたいのか、どんな子育てをしたいのかを考える機会になるといいなと思います。

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