「子供は生まれた瞬間から、一人の独立した人間」と考えるスウェーデンの子育てとは?

ゴールデンウィークも残りあと数日。みなさんいかがお過ごしですか?

ゴールデンウィークの祝日、それぞれの意味は?

さて、ゴールデンウィーク中には色々な祝日がありますが、そういえば、なんで休みなのかな~~と思い、改めてそれぞれ何の日なのか調べてみました。

4月29日 昭和の日 激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
5月3日 憲法記念日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
5月4日 みどりの日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かなこころをはぐくむ。
5月5日 こどもの日 こどもの人格を重んじ、子供の幸福をはかるとともに、母に感謝する。

日本は、祝祭日が1年間に17-19日もあり、実はこれは世界で一番多いそうです。夏休みや有給休暇が取りづらい日本では、祝祭日が多いのは必要不可欠なことかもしれません。

さて、明日の5月5日は「こどもの日」。

こどもの日とは
こどもの人格を重んじ、子供の幸福をはかるとともに、母に感謝する。

こどもの日ってそういう日だったんだ…。知らなかった…。

スウェーデンで暮らして体験した子育て方法

というわけで、こどもの日に際し、スウェーデンの子育て、というか「子供に対する考え方」について、少しお話したいと思います。

北欧は人権社会、平等社会としてよく知られています。社会全体のシステムによるところも多いですが、それに加えて人々の考え方も、社会的弱者に対してとても寛容です。どんな立場のどんな人であっても、人はみな同じ権利を持ち同等である、ということを多くの人が大切に考えています。

そんなスウェーデンで暮らして、悩みながら子育てをしている私ですが、スウェーデンの子育てで「いいな」と思う事の一つは、この国の「子供の人権」に対する考え方なんです。

一言でいうと、

店長
スウェーデンの大人たちは子供の人格を尊重し、対等に扱う事を重要視している。

社会システムや教育、文化、歴史の違いが与える影響は大きいですが、スウェーデンでは親や教師など大人が子供を頭ごなしに叱ることはほとんどありません。また子供が言う事はくだらない、ばかばかしいと笑い飛ばしたり聞く耳を持たない…という大人は、周りから白い目で見られます。さらにたとえ「しつけ」という目的でも、大人が子供に暴力をふるう事は絶対NG。例えばスーパーで騒ぐ子供を「うるさいっ」と言って親がたたいたとしたら…それは虐待。犯罪行為として警察に通報されることもあるのです。

今はこれが当たり前の社会ですが、ほんの50年前は「子供は子供、半人前。悪いことをしたら罰して分からせる」という考え方が一般的だったというから、育児休暇システムなども含め、この国の変化の早さには驚かされます。

子供は一人の人間である

スウェーデン人の子供に対する考え方の根底には、

子供は生まれた瞬間から、一人の独立した人間である

という考えがあります。

子供は知らないことがたくさんありますから、それを教えたり気づかせたりしていくのは大人の役目です。けれど、

知識が少ない=人間として劣っている

とは考えないのです。

親や教師、大人たちは子供の意見に真剣に耳を傾け、子供の真剣な発言を笑い飛ばしたりはしません。

危険な時には頭ごなしに叱ることもありますが、通常子供が何かいけないことをしたときは、叱るというよりも「なぜいけなかったのか」をじっくりと説いて聞かせるのです。力で抑えるのではなく、相手に納得してもらいます。

また、自分たちの思うように挑戦させ、失敗するならそれを見守ります。さらに、もし大人が間違ったことを言ったりしたりした場合は、相手が子供であっても真剣に謝ります。

こういう子育ては、実際にやってみると、正直時間がかかることだな…と、ぶっちゃけメンドクサガリの私は思います。

いちいち理由を説明するのは正直大変ですし、大人の指示にいちいち疑問を抱かず従ってくれればとても楽になると思います。なので、これは人口が少なくて、時間が比較的ゆっくり流れているスウェーデンだからこそできる子育て方法なのかな、、とも思います。

スウェーデン流、少しだけ取り入れてみては?

私自身は日本で日本人の両親に育てられたので、そもそもの習慣や意識が違いますから、こういう子育てに悩むこともあります。

スウェーデンに暮らしているからと言っても、もちろんストレスもたまるし、イライラもする。子供に対して感情的になる事もしょっちゅうです。

子育て中は誰だって、疲れて腹を立てたりイライラしたりしますよね。思い通りにならない、時間通りにいかない、予定通りにできない…。誰だってどんな状況だって、子育てはストレスと悩みとの闘い。

大人だって人間ですから、感情的になって理不尽に怒ったり怒鳴ったりすることがあります。

そんな私が子育てで一つだけ忘れないように心がけているスウェーデン流は、相手が我が子であっても

一人の人間である

と考えること。

相手が大人だったら、こんな風に言ったのかな?こんな態度をとったのかな?と、冷静になったあとで少し考えてみたりします。そして自分が間違っていたら、機会をみつけてきちんと話をするように心がけています。

メンドクサイ…時間かかる…と思いながらも、子供をできるだけ対等な人間と考えるよう意識すると、子供の持つ考える力や観察力、洞察力に驚かされ、学ぶこともあります。

面倒で時間かかる…でも「自分で考えられる」人間が育つ

こうして小さいころから「一人間」として尊重されて育つ子供たちは、大人のいう事を素直に信じるという従順さに欠け、集団行動が苦手。大人からすればある意味扱いにくい部分もあります。

でも子供の頃にしかない自由と、子供の頃にしか浮かばない自由な発想を、大人に奪われない。

自分の考えを持ち、自信をもってそれを対等な気持ちで大人に伝えることができる。

自分の頭でしっかりと考え、意見を持つ勇気をもてる

日本で育った私には、そんなスウェーデンの子供たちが、キラキラみえて時々とても羨ましくなる事があります。

この子たちがどんな大人になって、どんな世界を作っていくのかな、と楽しみになります。

というわけで、「こどもの日」に際し、子供について考えてみました。

子育ては色々な考え方ややり方があって、何が一番いい、というのはきっとないのだと思っています。でも、もしこういうスウェーデンの考え方が何かのインスピレーションになれたらいいなと思い、書いてみました。ぜひ皆さんの考えやご意見をコメントで頂けたら嬉しいです。

毎日がんばるお母さん、お父さん、そして子供の先導役となる世の大人たち。全ての方が、本当に素晴らしいと思います。ほんとうに、毎日お疲れ様です。

そういえば、子供の日は、「母に感謝する」日でもあるみたいですね…。平等の国スウェーデンに10年以上も住んでいる私は、なんで「母」だけなの?ってちょっと疑問に思いますが…母の日も近いという事で(笑)、ソピバのお店では母の日におすすめのギフトをまとめています。良かったらご覧いただき、お気に入りがあればお買い物も楽しんでくださいね。

また、以前のブログで北欧の母の日についても書いていますのでよかったらご覧くださいね。