夏至(ミッドサマー)が終われば、待ちに待った夏休み!
この時期のスウェーデンは国を挙げて(?)夏休みを待ちわびます。
スウェーデンの子供、夏は遊び放題!
スウェーデンの学校の1年間は秋の8月に始まり初夏の6月に終わります。そして学校年度の変わり目には、長い夏休みがあります。
スウェーデンの小学校の夏休みは
6月中旬から8月中旬
約2か月間です。
スウェーデンの教育の基本的な考え方は、
子供は学校外では思いっきり遊ぶべし
ということ。
そんなスウェーデン、先日長男の小学校終業式の日に、担任の先生は言った
スウェーデンでは人間の脳は、休む時間を作る事でより効果的に機能すると考えられています。
そのため、学校でも仕事でも休憩の時間(いわゆる、フィーカ)をとることを習慣づけているし、夏休みはもちろんの事、週末などにも宿題や仕事は極力しない方がいいと考えているそうです。
というわけで、少なくとも我が子の小学校(地域の公立小学校)を見ていると、夏休みの宿題はほとんど出ていません。とくに低学年のうちは、あるとしても、「できたらやってね」程度のもので強制ではない。
そして、その宿題の内容は…
- 最低2冊は本を読む、または聞く。
- 遠くに住んでいる親戚や友達に、お手紙かはがきか絵を郵便で送る。
- なわとび100回。
- 自転車に1時間乗る。
- 森をさまよう。
- スウェーデン語以外の言語を使ってみる。
- いままでやったことがなかったことをやってみる。
- 道端の花を集めて花束にして、誰かにあげる。
- 新しい友達と遊ぶ。
- トランプをする。
- 外で一晩眠ってみる。
など。教科書やワーク、ドリルなどの学習系は一切なし。
っていうか、なにこの宿題、かわいすぎません?!
しかも、それぞれの課題がビンゴ形式のマスに書かれていて、クリアしたらそのマスをチェック!そしてビンゴを完成させたら新学期にポイントがもらえる!そのポイントが一番多いクラスが勝ち!というゲーム方式。
強制するのではなく、子供がもともと持っている、「やりたい!」という気持ちをうま~く使っている感じがします。
なんだか、普段の子育てにも、参考になりそうな手法ですよね。
そわそわが止まらない、スウェーデン人
こうして、楽園のようななが~い夏休みを過ごし続けて大人になったスウェーデン人は、大人になっても6月初旬ごろから
誰と話してもどこかそわそわしてるし、すぐ夏休みの話題を持ち出してくる。
夏はどうする、夏休みは何週間とる(「何日」じゃないのがすごい)、今年の夏の天気はどうなるか、サマーハウスにいくのか、秋は子供はいつから学童に行くかなどなど。
これは近所のスーパーで立ち話をしている買い物中の主婦の方たちの会話ではなく(そもそもスウェーデンに主婦の方はあまりいませんが)、
スウェーデン人は夏休みに命をかけているといっても過言ではない…と私は思う。いかに夏の天気が良く、いかに何もしないのんびりとした夏を過ごすかに、必死。ちなみにスウェーデン人が理想とする夏休みは旅行などで忙しくするのではなく、ただひたすらにのんびりと自然の中で時間を過ごすことです。それに、必死になるのです。
そんなこんなで、住み始めて数年は
とやや客観視していた私も、10年以上経った今では
そういう意味では、立派にスウェーデン人の仲間入りを果たした、といえるでしょう(笑)。
夏休み中の社会はどうなっているのか
このように、子供も大人も多くの人が4週間以上の夏休みをとるスウェーデン。
では、この休み中に不便はないのか?だって考えてみれば、働いている人が4週間以上も不在となれば、会社も、工場も、お店も、病院も、電車も…いったい誰が会社や社会を動かすの?
その答えは
誰も動かさない
少人数でまわしていく
一時雇いのバイトさんを使う
たとえば工場や会社は軽々しく「7月の1か月間は夏休みで休業です」と断言し、一切仕事をしないところも多い。
お店やレストランは1か月閉めてしまったり、開けていても店主や分かる人はおらず、一時的に雇われたアルバイトさん。お店の味もいつもと違ったり…。
運送会社も配送を行う人がアルバイトばかりになるので、住所を間違えて配達することもざら。
電車も夏の間は運転手が少ないから(利用者も少ないが)運行ダイヤが変わり、ガクッと本数が減る。
病院ですら、医者や看護師など働いている人数が減り、診察の待ち時間は増え、病院をたらいまわしにされることもある。
そう思われたあなた、まったくその通りなのです。
実は夏のスウェーデンは、とっても不便なのです!
この不便を甘んじて受け入れてこそ、4週間以上もの長い夏休みを皆がとれるような社会を実現できるのです。
それでも休む、スウェーデン
私は、この
「不便を、甘んじて受ける」
というスウェーデン人の姿勢が、実は「幸せな暮らし」の根底にあると考えています。そしてここにこそ、日本がより生きやすく暮らしやすい社会を実現するためのヒントが隠れているのでは、と思います。
日本人としてスウェーデンで暮らしてみると、正直いってこの国のあまりの不便さに愕然とすることは少なくありません。
交通事情であったり、病院システムであったり、配送システムであったり、店員さんの対応であったり、商品のクオリティであったり、市場で提供されるもののバリエーションだったり…
しかし、この「不便を甘受する」という姿勢、もっといえば、「不便だけどしかたないとあきらめる」姿勢が、この国を働きやすく、暮らしやすい国にしているのです。
夏休みを例にとってみれば、誰かが4週間以上も休めば、他の誰かが不便をこうむることになりかねません。
しかしそれでも休む。
そしてそれを全員がやる。
そして不便になるけど、「まあしかたないよね」とあきらめる。
そのようにしても成り立つ社会、そして不便さをあきらめて受け入れてくれる寛容な社会や人の考え方を作っていくことが、皆にとって幸せな社会をつくる近道なのだと思うのです。
スウェーデン人も使ってる、トレー+専用スタンド
さて、スウェーデンが夏休みになっても、【ソピバ北欧】のお店は通常通り営業しますので、ご心配なく(笑)!!
ちなみにソピバのお店でも販売している、こちらの写真のトレー+専用スタンドのセットは、お部屋の中でも便利ですが、ピクニックや、バーベキューなど外で時間を過ごす時にも便利です。
また、実はスウェーデン人のお宅でもよくみかけます。スウェーデンでは知らない人がいない、巨匠スティグ・リンドベリのベルサ柄のトレーを合わせれば、機能性の高さはもちろん、スウェーデン人も大満足のデザインクオリティなんですよ。
また、これから7月、8月の時期は、お中元の季節。ビジネスでの方が一般的なイメージもありますが、この機会にぜひ日頃お世話になっている方へ、贈り物を送られてはいかがでしょうか。ギフトラッピング(324円)を選択いただき、備考欄に「お中元ギフト」とご記入いただけば、お中元熨斗(うち熨斗)をサービスした、お中元ラッピングを行います。ぜひご利用ください。
ぜひ、7月も、8月も、皆様のご来店を心よりお待ちしています。